Webディレクターの年収と転職について 東京のリアルな数字で解説!
Webディレクターの年収って、企業や職種平均でまとめた記事を定期的に見かけるのですが、具体的ではなくて分かりにくいですよね。
働くエリアや会社の形態によっても変わってくるところですので、
今回は「東京」の「事業会社」に絞ってリアルな年収を解説していきたいと思います。
※事業会社=受託制作を行う制作会社ではなく、自社内に開発体制をもち、自社サービスを運営している会社。
事業会社の年収、給与体系
Webディレクターの年収の前に、事業会社でのポジションや階級ごとの年収について説明します。会社によってもちろん差はありますが、私の知る中で多いのは以下のような形です。
等級・グレードについて
呼ばれ方は様々ですが、「等級」「グレード」というものがあり、年に1回または2回の査定で、目標を達成すると上位階級に昇格・昇級するような制度です。
等級は「1,2,3〜9,10」のようにシンプルだったり、「1-1,1-2,1-3,2-1,2-2..」のように枝が分かれるように複雑だったり、「1,2,3,4,5,6,M1,M2」のように役職がついたところからと形が変わったり様々です。
今回は便宜的に、シンプルに「1〜10」の等級がある前提で説明します。
等級と役職について
Web業界では、学生の頃イメージしていた「係長」「課長」「部長」のような役職名とは言い方が異なる会社が多いですが、以下のような呼ばれ方で区分分けされます。
(なお、マネージャー以下は正式な肩書きとして用意しない会社も多く、リーダーやアシスタントマネージャーというものは社内的なポジションなことも多いようです。)
ここに、前項で説明した等級を当てはめると、以下のイメージです。
等級1〜4:一般
等級5〜6:リーダー、アシスタントマネージャー
等級7〜8:マネージャー
等級8〜〜:部長以上
等級と役職別の年収について
役職別での年収ですが、まず大体の会社で同じ年収としているのがマネージャーです。前項で言う等級7の部分ですが、年収800万前後に設定している会社が非常に多いと思います。
そしてそのひとつ前のポジションであるリーダークラスが結構大きな幅になってくるのですが、年収500後半〜800万くらいになります。
その下の一般クラスが年収450万〜500後半というイメージでしょうか。
なお、部長は年収900万〜1000万くらいだと思います。
先ほどの形でまとめると以下になります。
一般:450万〜500後半
リーダー:500後半〜800万
マネージャー:800万〜
部長以上:900万〜
Webディレクターの年収
ではWebディレクターの年収はいくらくらいなのか?
Webディレクターの年収について、スキルと経験によって大きく変わってきますので、能力x年齢別にまとめてみました。(完全に独断ですのでご了承ください。)
①普通の人(70%くらい)
22〜25:450〜500万
26〜29:500〜570万
30〜34:570〜650万
②そこそこできる人(25%くらい)
22〜25:450〜550万
26〜29:550〜650万
30〜34:650〜800万
③すごい人(5%くらい)
22〜25:450〜550万
26〜29:550〜750万
30〜34:750万〜
最初の2,3年くらいはそこまで大きく差がつくことはないですが(会社の制度的にも最初あまり差がつきにくくなっている)、4年目以上の20代中旬〜後半で年収に差が出てくるイメージです。
また、25歳になった時、30歳になった時にどれくらいの年収なのかで、その人がどれくらいのクラスになっていくのか見えてくるタイミングなのかと思います。
会社による平均年収と見る時の注意点
前項のWebディレクターの年収は、あくまで私の周りの会社の話ですが、事業系の会社で一部上場会社であればそこまで外していないかと思います。
なお、会社によって平均年収が100万位くらい違っていたりも多いですが、理由は以下が多いと思います。
①新卒が多い
当たり前ですが、全社員の中での新卒の割合が増えると、最低等級のメンバーが増えるために自然と平均年収は低くなります。平均年収を見る時は、社員の新卒・中途の構成比を見つつ平均給与を確認してみましょう。
②リーダークラスとマネージャークラスが年収差が大きい
ここはかなり大事な点なので、転職の際には必ず意識したほうがいい点です。
マネージャーの年収が800万ほどと書きましたが、その一つ下のリーダークラスと大きな差があることがあります。
具体的には以下のような場合です。
【会社A】リーダー:〜650万 マネージャー:800万〜
【会社B】リーダー:〜780万 マネージャー:800万〜
会社Bの場合マネージャーにならなくても、ほぼマネージャー同様の年収をもらえるのに対し、会社Aでは一つ下なだけで大きな差があります。
マネージャーの席が少なく、650万までは早くても、そこで詰まってしまう会社だと平均年収が低くなってしまうこともあります。また、この会社Aの場合だと、長く働いてもマネージャーになることができなく、中途半端な年収のまま会社に縛られてしまう可能性もあります。(低くはないですが、そのまま歳をとるのも危険)
マネージャー以下は残業が出るのが基本なので、650万でも多く残業をするとマネージャーに近い額になったりもしますが、基本給の部分で650万で頭打ちしてしまうのは今後のキャリア上好ましくない年収だと思います。
マネージャーになれそうな見込みがしばらくなさそうなら、転職も視野に入れるのが大事だと思います。
以上、②は特に中の人に聞くなどしなければなりませんが、平均年収を見る際には注意してみてください。
転職による年収アップの方法
Webディレクターとしての経験とスキルを磨く、というのはもちろんですが、先ほどの会社Aのように、会社の年収・給与の仕組みによってはどうしても上がらない場合もあります。
年収だけで考えるのであれば、会社も以下のように分類されるので、その時々に応じて年収を上げやすい会社へ転職を考えるのもありだと思います。
・新卒〜25歳くらいまでに入る会社
新卒当初の給与水準がそこそこ高く(400以上)、500万くらいまで上がりやすい会社を選びましょう。マネージャークラス以下の最大年収が低い(600万代)が、500万代が非常に多い会社では、500万代に上がるのは比較的早い会社も多いと思います。
・25〜30以上で入る会社
マネージャーにならなくても、700万(できれば700万後半)をもらえる会社を狙いましょう。ポジションがなくても年収が止まるリスクは少ないですし、700万程になれば、次の会社でいきなりマネージャーからも狙える水準になります。
・マネージャー以降に入る会社
マネージャー、部長以上での年収レンジが高い会社を選びましょう。大きい、または外資の選択肢になってきますが、部長クラスでも1200万〜程もらえる会社です。
また、こういう会社は新卒〜600万代くらいで入るのはあまりオススメしません。叩き上げでマネージャークラス以上になるのは少なく、外から入れることが多いからです。
あくまでも私の周りでの話を参考にしているので、当てはまらない人も多くいるかもしれませんが、参考になれば幸いです。